遠藤拓也(大工)

えんどうたくや(だいく)

名称遠藤拓也(大工)
ふりがなえんどうたくや(だいく)
地域・場所長井市
サイト管理者山形県県土整備部建築住宅課
連絡先TEL:023-630-2651 又は 023-630-2636(山形県県土整備部建築住宅課)
掲載サイト
概要

株式会社 遠藤建築 三代目(長井市)

2020年11月、愛知県常滑市で開催された 「第58回技能五輪全国大会」建築大工部門に 山形県代表として出場し、堂々の銀賞を獲得した遠藤拓也さん。
その貴重な経験と会得した技を糧に、大工職人としての未来を切り拓いていく。

※所属等は取材当時のものであり、現在と異なる場合があります。


赤銅色に日焼けした祖父や父の
頼もしい笑顔に自身の将来を重ねる

幼い頃から大工の棟梁である祖父と父の背中を見て育ってきた。仕事道具がぎっしり詰まった腰袋と安全帯を身にまとい、高所をものともせず家を建てていく様子がたまらなく格好よかった。しかも竣工後には、施主様ご家族から感謝される。誇らしげで自信に満ちたその姿は、まさにスーパーヒーローそのもの。幼少期に芽生えた憧れは、やがて明確な目標へと変わっていく。
2018年、高校を卒業した遠藤さんは、迷うことなく山形職業能力開発専門校に入校。建設技術科で大工職人への第一歩を踏み出した。

職業能力開発専門校の実習で得られた
気づきや学びを通じて大きく成長

建設技術科における2年間のカリキュラムの中で特に思い出深いのは、同期13名と力を合わせて2階建て住宅を建ち上げる実習だった。建築に際して3名の棟梁役が選出されるが、遠藤さんもその一人としてリーダーシップを発揮。自らの指示で施工を進めていく責任や不安という重圧を身をもって味わうことで、祖父や父の偉大さを痛感した。同時に、失敗から得られた気づきや学びを通じて飛躍的に成長できたと当時を振り返る。
こうした実習を経た後、2級建築大工技能士技能検定の実技試験免除条件でもある「技能五輪全国大会地方予選会」に出場。優秀な成績を収めることで、遠藤さんは全国大会出場への切符を手に入れた。

第58回技能五輪全国大会に
山形県の大工アスリートとして出場

専門校を修了後、2020年4月から家業の遠藤建築に入社し、大工職人としてのキャリアをスタート。その数カ月後に「第58回技能五輪全国大会」建築大工部門の山形県代表選手に選ばれる。11月に愛知県常滑市で開催される全国大会に向けて、他のメンバー4名と母校の専門校で強化訓練に明け暮れた。
「8月ぐらいから訓練校に毎日通いました。大会では当日課題が発表されるので、半ば勘だけを頼りに想定課題を練習したんですよ」と語る遠藤さん。
しかし、その勘は見事に的中する。大会当日の競技課題は「柱建て小屋組」の桁組製作。練習では登り梁の製作に力を注いでいた遠藤さんにとって、部材寸法のみが異なる桁組製作は、これまで積み重ねてきた成果を存分に活かせるものだった。

祖父と父から技を継承する日々
将来は会社を背負って立つ棟梁に

そして、約60名いる建築大工部門の全国代表選手の中で、わずか3名だけが獲得することを許された銀賞という快挙を達成した。遠藤さんが強化訓練と全国大会を経て会得したもの。それは、限られた時間内に課題作品を組み上げることで養われた忍耐力や集中力、競い合うことで磨き抜かれた施工技術だという。
現在、祖父や父の手ほどきを受けながら棟梁への階段を歩み続ける遠藤さんは、仕事の合間を縫って自宅敷地内に自ら手がけていた2LDKの新居が先日ようやく完成したとうれしそうな表情を浮かべる。これを弾みに、今後は1級建築大工技能士をはじめ、2級・1級建築士の資格取得にチャレンジしていきたいと笑顔で意気込みを語った。

○山形職業能力開発専門校(外部サイトへリンク)